RPA(PC作業の自動効率化)を通じて個人が輝く社会を作る、パソコン業務生産性アップアドバイザー神崎玲奈のブログ

大手会社向けにRPA(簡単に言うとマクロのようなPC作業の自動化のこと)の経験があります。削減した業務時間は年間8000時間以上。 私の夢はRPAって何?という人でもRPAツールを使いこなして業務改革をするだけでなく、その先の個人の幸福を実現することです。 RPA関連の情報が知りたい人におすすめのTwitterアカウント15選に選ばれました!Twitter名 @aimaruleira

RPA導入を現場ユーザが実施する場合に必要となるポイント

RPAによる効果を持続させるために

RPA導入後にそのロボの維持管理をしたり、引き継いだり、他の部署のロボ化をスムーズに推進するために筆者が必要だと思う要素を上げる。
SEであれば基本かもしれないが、現場で業務をしている方々がRPA化する場合には意図的にやっていく必要があるものです。

 課題・QA管理

ロボ化にあたっては、ロボ実施前後の人間が行う業務が変わる可能性が高い。
業務そのものを変えることや、それに伴う関係各所との打ち合わせなどが想定される。
後から見て「なぜそうしたのか」が分かるようにどのような議論が交わされたか、は残しておくことが望ましいです。

 ノウハウの蓄積と共有

細やかなRPAツールの挙動や、例えば「ダウンロードしたデータを条件で抽出したい場合は〇〇すればよい。」や「〇〇の処理を使っていたらロボが途中で止まった。〇〇をしたら回避できた」など。
新しい技術についてはこのようにノウハウを貯めていく活動が欠かせない。

同じ社内なのに同じようなところで躓いているのは非常にもったいないとも言える。
まずは困ったらここを見よう、という場所を作ることで新しくロボを導入していく人たちがスムーズにRPA化を進められるようになる。

ちなみにシェアするってことは自分の理解も進みます(これ本当)

 バージョン管理

バージョン管理とは、ファイルの作成日時、変更日時、変更点などの履歴を保管することである。
どこまで開発が進んでいるバージョンなのかが分かるようにしてあげることである。
バックアップして、XXXXX2019014.xaml(UiPathでのロボの拡張子がxaml) みたいにどの日付のものかを管理してあげる必要がある。
これがないと、開発者本人も他の人もどれが最新なのか分からなくなったりどれが動かすべきロボなのかが分からなくなることになるので意外と大事。

 ロボの共通部品化

同じシステムへのログイン処理や、起動処理、挙動がおかしいときのエラーハンドリングなど、よく使う機能については
共通部品として再利用してあげることで、ロボの品質が安定しやすくなり、開発スピードも上がることになる。

 ロボ仕様書(設計書)の作成

こういったものを作らないからこそ、野良ロボが増えるのではないか?筆者は思う。
ロボ作成者がいなくても、ロボ化前にその業務を実施していた人がいなくても業務が回るようにどういう業務をロボ化したのかや、どのシステムに何を入力しているのか程度は残しておくべきである。
ドキュメントが残らないと、EUCと同じようにブラックボックス化を助長してしまうことになる。

え、ドキュメント?作るの難しいし面倒なんだけど..と思う方はポイントごとの画面キャプチャでもいいから残しておこう。

 メンテナンスしやすいロボを作るために

ロボを見るだけで、ざっくり「何をしているのか?」が分かるようにするといい。
例えば、クリック動作だけでも「〇〇をクリック」の「〇〇」があるとないとでは分かりやすさが大きく違う。処理名だけでもわかるようにしてあげるわけです。
RPAツールが行っている各処理に日本語でコメントを入れて分かりやすくすること、
また変数(値を格納する箱みたいのもの)の利用についてのルールを設けること、などロボの作り方自体を標準化できるとよいですね。

 

筆者は特に課題・QA管理については、社会人1年目~3年目の期間で先輩方にビシバシと鍛えていただいた。
当時は苦しい思いをしたが今ではその大事さがよく分かるので、彼らに深く感謝したいです(^_-)-☆